2008年6月29日日曜日

宝塚記念展望 2008


前回の記事(→宝塚記念の傾向)で以下のことを挙げた。

狙いたい馬
・持久力に裏付けされた切れ味を持つ馬(1着争いまで)
・持久力の高い馬(複勝圏内争いまで)

危険な馬
・緩んだ流れで切れる脚を発揮するタイプの馬

これを踏まえて宝塚記念の予想をしてみる。


参考レースのラップタイム
出走メンバーの全ラップタイム


予想
天皇賞でブッタ切ったメイショウサムソンがあのパフォーマンスを見せたことで、
ここでもサムソンの壁が新たな勢力に立ちはだかると思われる。
そしてサムソンの屍を越えられた馬が秋の主役となるだろう。
この「G1の格」の番人とも言える馬を倒して勝利を掴む可能性がある馬は
今回のメンバーの中では1頭しか考えられない。


◎アルナスライン
1番手評価というのには多少の希望も含まれていて、
普通に返り討ちに合う可能性も否定はできない。
もともとは切れ味の方が勝ったタイプの馬で、持久力には疑問があった。
その証拠に菊花賞のラストのラップを見ると、
11.6-11.9-12.7
というラストが0.8秒も落ちる流れを差し切れなかった。
しかしその後休養を挟んで馬体が成長し、かなりの持久力をつけたと思われる。
その持久力が前走の目黒記念で存分に発揮された。
ホクトスルタンが全く淀みのない流れを作り出し、ラストは相当な消耗戦と
なったレースで、勝ち馬とは2kgの斤量差があってギリギリ届かなかったが、
唯一最後まで伸び切っていた。
またコースの内ラチ沿いにはグリーンベルトがあって1、3、4着馬は
道中は順番にその上を進んだ中、唯一外から進めて勝ち負けまでのレースをした。
今の状態で、うまくレースを運ぶことができばサムソンを倒せる可能性はある。
…と信じたい。

○メイショウサムソン
天皇賞のタイムなどを考えても衰えは絶対にある。
しかし状態さえ戻っているのならば、やはり抜けた能力の持ち主として
扱わなければならない。
この際、状態が十分に良くなっているとしてこの馬について考えてみる。
まずこの馬の負けパターンは、レース全体のラップタイムの
ラスト1Fが12秒を切るような展開で、他の馬が止まらないような場合。
例として大阪杯を見てみると、
'07 11.9-11.7-11.4-12.0
'08 12.0-11.5-11.6-11.7
勝った昨年は勝負所から徐々に加速して行った後ラストはガクッと
落ちているのに対して、負けた今年はラスト3Fで一気に加速して
そのまま速いラップを刻み続けてゴールを迎えている。
切れ味という点で多少不利な同馬が勝ち切るためには
他の馬が止まるという他力本願的な要素も必要だということが分かる。
逆に言うと、他の馬が止まってもこの馬は止まらないので
ラスト1Fのラップが12.5秒くらいになってくると、断然有利になる。
そして宝塚記念は前半~中盤の流れが厳しくなるので、当然のように
ラストのラップは落ちやすく、この馬には持って来いの舞台だと言える。
枠順も内枠に入って条件は揃ったと言って良い。

▲アドマイヤフジ
陣営はある程度前から行くと言っており、鞍上も積極的な騎乗する川田。
適正面では相当合っている舞台で、上位への食い込みは必至。
前日単勝オッズ32.3倍は馬券的にはおいしすぎる。(頭にはできないが)

△カンパニー
横山典は当然今回も積極策を選択するだろうが、
溜めて長く持続する脚を繰り出すレースをしていた馬を
積極策で激変させるパターンはハーツクライと同じ。
そしてそれができるのは能力が高いということに他ならないし、
それだけ心肺機能か筋力か精神力かが充実してきていて、
優れた持久力を持っていることを証明している。
問題があるとしたらこの距離でその持久力を発揮できるかという1点。

△エイシンデピュティ
ここ2戦の淀みない流れで結果を残しているが、
どちらも全く余裕のないレース展開ではなかった。
3走前の東京新聞杯での完全な持久力勝負では負けているように、
この馬は淀みない流れへの対応力はあるものの、
締まりすぎたレース展開では厳しくなるタイプだと考えられる。
馬場が悪化することで、最後はどこまで粘れるかという争いになったら
多少分が悪くなるかもしれない。
ただメンバーの中に完全に行くという馬がいないので、
前半~中盤が緩む可能性があり、そうなるとこの馬がもう少し上位に
浮上することも十分にあり得る。

注アサクサキングス
この馬はある程度溜めて切れるタイプである。
勝負所での速さはかなりのものではあるが、今までに刻んだラップを
見る限り、どうしてもラスト1Fのタイムが落ちる。
つまり見せ場は作るが…ということになりかねない。
それが実際に起こったのが大阪杯ということになる。
最後が続かない分、どうしても勝ち切るというイメージにはならない。


~その他の馬たち~

ロックドゥカンブ
締まった流れでも出来ない訳ではないが、
現段階では溜めなければ最後はきつくなるだろう。
前半は思い切って抑えて、直線だけの勝負に徹すれば複勝圏内くらいに
飛び込んでくる恐さはあるが、鞍上が岩田なので前半は恐らく先団につけて
何もしない状態で、勝負所で押し上げるレースをすると思われる。
そうなるとラスト1Fの粘り合いで他の有力馬に勝てるとは思えない。

ドリームパスポート
まず手替わりは大歓迎。
はっきり言って松岡の騎乗ではこの馬の良さが消されていた。
この馬は前半に溜めてこそ長く持続する脚を使えるタイプ。
前半からエネルギーを開放した状態では、半端な結果に
終わることは分かりきっている。
ここでの問題は蛯名がどう乗るかということに尽きる。
京都であればある程度抑えた状態でも下り坂を使って前との差を
埋めることができるが、阪神内回りでは自らが押し上げて行かなければ
いいポジションで直線を迎えることが出来ない。しかしそれをやるには
3コーナーから動く必要があり、最後は甘くなる可能性が高い。
(脚が溜まり切る前にスタートするイメージ)
枠も外目に入って、これでは結局回って来るだけにもなりかねない。
そうなるとやれることは1つで、4コーナー近くまで脚を溜めに溜めて、
直線に全てを賭けたのならば、複勝圏内くらいはあり得る。
(先週のソリッドプラチナムのような…)

エアシェイディ
溜めて切れるタイプではあるが、ある程度締まった流れでも粘れる。
そしてこの距離ならば中団よりやや前めにつけることもでき、
鞍上が後藤というのも手伝って可能性はないとは言えない。
ただここでは能力的に上位まではどうかと…。

アドマイヤオーラ
相当な切れ味を持っている馬。
持久力を問われた京都金杯、京都記念での好走は評価できるが、
その2戦でもレースの流れとは別に、自身は後方に控えて脚をため、
下り坂を上手く利用して加速するというレースっぷり。
つまり自ら押し上げていくような展開だった訳ではない。
そこで前走を見るとドバイ帰りでの体調面の問題もあったとは思うが、
3~4コーナーで究極的な切れ味を見せて直線止まるというレースで、
やはり末脚が持続できないことを確認させられた。
この馬に関しては持久力がまだまだ足りず、その部分の成長が待たれる。
狙うなら秋以降がいい。

インティライミ
溜めれば長く持続する脚を繰り出せるタイプ。
したがって締まった流れの中では控える競馬を選択するしかなく、
馬場状態も考慮すれば上位浮上は厳しいだろう。

サクラメガワンダー
溜めて切れる脚を使うタイプ。
能力はある馬だが、淀みない流れへの適正はほとんどない。
前走のように小回りのコースならまだしも、
ここでは粘り切るのは難しい。

アサカディフィート
今まで好走してきたレース自体は淀みない流ればかりだが、
この馬自身は前半緩めることで長く持続する脚を繰り出すタイプ。
したがって締まった流れを自ら押し上げていかなければならないここではきつい。
馬場悪化もマイナス材料。

フォルテベリーニ
適正面ではまずまずで、緩んだ馬場は歓迎すべきもの。
しかしここでは絶対的に能力が足りない。





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