2020年6月3日水曜日

日本ダービー回顧(ラップ分析)2020


まとめ
  • 落ち着いた入り方から、道中が締まって→上がりは長くいい脚を使う展開。
  • 切れと持続力をバランス良く備えていることが重要になった。

日本ダービー結果

コントレイル2.24.1 34.0 03-03-05-04
サリオス2.24.6 34.1 10-10-10-11
ヴェルトライゼンデ2.24.9 34.7 05-05-07-07
サトノインプレッサ2.24.9 34.3 11-11-12-12
ディープボンド2.25.0 35.1 03-03-02-02
ガロアクリーク2.25.0 34.6 06-05-07-10
ブラックホール2.25.0 34.1 14-14-16-16

天候:曇 芝:良
上り4F:46.1 3F:34.3
前半1000m:61.7
12.6-11.3-12.9-12.6-12.3-11.8-12.2-12.3-11.8-11.3-11.3-11.7




レースラップ分析&雑感

ラップタイムを見ると、前半ゆったりとした入り方をして、その分道中で一旦
しっかりとペースアップ。その後3コーナー辺りで(形としては)一応落ち着き
つつ、上がりは早い段階から&大きく加速する展開。

今回の特徴は、(途中マイラプソディの仕掛けもあり)道中~上がりという脚の
使い方になった、全体としての展開そのもの。

近年、キセキやアエロリットが作ってきたものと近い性質…というイメージで、
(コーナーで一旦溜めている点が少し異なり、その入門編というくらいだが…)
適性的には、後半長い脚を使う中でもう1段上げられる脚…というところで、
切れと持続力をバランス良く備えていることが必要になった。

この手の展開では、ラップの速い区間で額面以上の脚を使わないことが重要。
その点(それを叶えられる)比較的好位orロスなく回してくる馬が有利になり、
逆にコーナーで外を回して押し上げようとする差し馬が、早い段階で脚を使い
過ぎて→直線伸び切れず…という形で、最も厳しい立場となる。

実際に今回は、前半から比較的流れに乗っていた馬が基本上位で、そこに最後
突っ込んできたサトノインプレッサ&ブラックホールあたりも、(最終的に
選んだコースは真逆だが)4コーナーまではロスなくという内容だった。
(コントレイル&サリオスに関しては後述)


今回も、何だかんだ上位2頭の競馬。(1頭と言ってもいいのかも知れないが、
展開に対する内容を考えれば2着馬もやっぱりなかなか)
これからの古馬との戦いでどうなるか?はまだ分からないが、他も弱いという
訳ではない中で、明らかに抜けている馬の出現…というのは心が躍るし、今後が
本当に楽しみになる。

3着以下に関しては、もちろん上位は地力があってこそだが、走る度に序列が
入れ替わりそうな雰囲気ではあり、各馬の(前後左右)細かい挙動をチェック
しつつ、この先上げ下げをしたいところ。


各馬について

出走各馬の詳細&次戦に向けての考察

コントレイル
展開に対する位置取り&コース取りが完璧だったことは大きいが、遊びながら…
という鞍上の話もあるように、(じっくりとした仕掛けから→)坂上での一脚で
あっさりと勝負を決めた格好。
(前半で引っ張られていない)展開自体、全能力が引き出される形ではなかった
…というのもあるが、まだまだ末を伸ばせそうではあり、本当に底知れない。
秋は3冠を目指すという話。
ステップレースを1つ挟むとして、それが神戸新聞杯だとすると、今年は中京。
中京経由で3冠を目指した馬と言えばメイショウサムソンで、達成ならずの4着
…という前例もある訳だが、その時までの神戸新聞杯は2000m。
特に改修前の中京2000mは、前半が相当に速くなるスピードコースだったし、
その点、今年開催の2200mは(スタートは一応引っ張られるが)一旦溜めつつ
→道中~上がりでジワジワと脚を使う形。ステップとしては悪くもなさそう。
順調なら当然可能性は高いはず。大いに期待しておきたい。

サリオス
上記の理由で今回、展開に対する位置取り&コース取りは最も厳しい立場だった
と言える。コントレイルを脳内のイメージから消してレースを見れば、外々を
回して→直線他をまとめて交わして完勝したようなものだし、自身がゴール板を
通過する瞬間で映像を止めてみれば、完全にサリオス&その他大勢という構図。
(3馬身前にいる馬だけが異質)
まだ余力がありそうな勝ち馬との差を、コース取りの差だけで説明できるか?と
言えば微妙だが、やはりその力は認めておきたい。
現段階でのイメージとしては、皐月賞後に思い描いたものと変わらず、1600~
2000m的な脚の使い方かな…という雰囲気で、将来は(父は違うが)モーリス
的な有無を言わせない強さを見せる馬…かも知れない。その期待はしてみたい。
(もちろんハーツクライ産駒。来年秋に変身を見せる可能性もある)



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2 件のコメント:

  1. 道中そこまでペースアップしてますでしょうか?
    マイラプソディのまくりで見かけのタイムは早くなってますが、まわりの馬はそこまで影響受けてないように思います。
    前が止まりにくい馬場での、スローのロンスパ戦で後方の馬にはかなりキツかったのではないでしょうか?
    後方からでも最後しっかり伸びたサリオスとブラックホールは見た目以上に強かったと思います。
    ブラックホールは騎手次第では3着もあったかと。

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    1. 言葉足らずでした。
      元々ペースが少し上がっていた中で→マイラプソディがそれに拍車をかけた…という表現にすべきでした。(再び極端に落ち着く目を消したイメージ)

      ただ、前半は遅いですが、道中はやはり緩くないとは考えています。後続の個別ラップ(馬場差込み)を見ても、数字上、それなりの水準になっていますので。

      もちろん、自分はレース直後の時点でこう考えた…というだけの記録ですし、解釈は人それぞれでいいと思います。

      人気投票の競馬では独自の見方が武器になる可能性がある訳で、個人的には、その感覚を大切にしたいという考え方をしています。
      (なのでプロと呼ばれる人たちの文章なども、出来るだけ見ないようにしています。ブレる人間なので…)

      削除

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