2018年8月29日水曜日

キーンランドC回顧(ラップ分析)2018


まとめ
  • (実質)かなりハイペースからの、溜め→切れという展開
  • 高い持久力が問われた
  • 内&好位が有利

キーンランドC結果

ナックビーナス1.09.4 35.7 01-01
ダノンスマッシュ1.09.8 35.9 03-02
ペイシャフェリシタ1.09.9 35.9 04-04
キャンベルジュニア1.10.1 35.7 07-04
スターオブペルシャ1.10.2 35.3 11-13
レッツゴードンキ1.10.2 35.5 09-09
トゥラヴェスーラ1.10.2 35.4 11-04

天候:晴 芝:稍重
上り4F:46.6 3F:35.7
前半3F:33.7
12.1-10.7-10.9-12.0-11.6-12.1




レースラップ分析&雑感

ラップタイムを見ると、馬場を考えれば前半がかなり速く流れて、勝負所の
手前で一旦溜めた後、4コーナー~直線でしっかりと加速する形。
(前後半3Fの差が2秒ついた前傾戦)

※とにかくこのレースは、個人的になかなか咀嚼し切れず、消化不良気味では
あったのだが、とりあえず以下は現時点での解釈…ということで。

まず今回は、土日を通してかなり時計が掛かる状況で、単純に、重い馬場への
適性が重要だったことは間違いない。
ただ、それだけで片付けるには、このレースは好位&内寄りというのがあまり
にも顕著。

傾向として、差しが決まらない訳でもなかったし、そもそもハイペースからの
溜め→切れという展開は、むしろ外差し(捲り差し)が決まりやすい形。
何故だ!?となる。

で、その解釈としては↓(複合的なもの…たぶん)

1.前が強かったから。
展開自体がかなり厳しく、これは前提として当然あるはずだし、押し切った
のがナックビーナスということを考えれば尚更。

2.後続にも満足な脚が残らなかった。
この週は、ペース判断が難しかったのか、(馬場を考えても)スローに流れる
レースも多かったのだが、それでも普通に差しは決まっていた。

要は周って来るだけで負荷が掛かるような馬場で、このレースはその中での
ハイペース戦。速い流れを追走した後続にも、しっかりとした決め手を発揮
出来るだけの脚が残らなかった…という可能性はありそう。

3.後続が斜めに脚を使った。⇒そして直線不発。
後半、内先行ポジションにいた馬たちは、3~4コーナー半ばでじっくりと
溜めていたが、その一方で、差し馬は外をかなり押し上げる動きをしていた。
→そこで引き付けつつ、前はラスト2Fで一気に加速。

そのラスト2Fが、直線の短い札幌では4コーナー(~直線)に当たる。
その区間のラップが11.6秒。そこで外を押し上げていたような馬には、当然
11秒台前半の、もしかしたら実質それ以上の負荷が掛かった可能性がある。

元々長い脚を使っていた中で、更なる加速を強いられた格好。
斜めに脚を使い切って→直線不発…となるには十分な状況だった雰囲気。

※大きなロスをしなかったスターオブペルシャが最後浮上して、最内を突いた
ムーンクエイクも(浮上し切れてはいないが)それなりの伸びを見せていた
ことを考えれば、単に差しというだけの(2)よりも、(3)の理由の方が、
影響は大きかった気はする。

以上を踏まえて、この先に向けては、まずこの展開を粘った前の馬(当然特に
勝ち馬)に関しては、十分な持久力を示したと言えるし、素直にその地力を
信頼しつつ、今後の活躍に期待したいところ。

一方で、外を攻めて→直線伸び切れずに終わった差し馬に関しては、脚の使い
所の問題も大きかったはずだし、やはり巻き返しの可能性は考えたいところ。
特にそこそこの着に浮上している馬は、次戦あっさり…まであり得るかも。
個々の挙動をチェックして、しっかり注目しておきたい。


各馬について

出走各馬の詳細&次戦に向けての考察

ナックビーナス
好発から、逃げて厳しい展開を演出しての完勝。
上記のように、勝負所の手前で溜めを効かせた、鞍上のレースマネジメントの
上手さに依る部分もあるが、半端な逃げ方をしなかったことで→後ろを潰した
とも言える内容で、その地力はやはり認めておきたい。
当然このパフォーマンスであれば、G1でも…となるが、今回は、少し細かい
脚の使い方が、馬場に合っていた部分もある。
その点、今のスプリンターズSは、馬場&展開ともに、今回とは真逆と言える
ようなレースになる可能性もあるので、開催中の天候、相手、展開と、条件が
揃うようであれば…という扱いに、現時点ではしておきたい。

ダノンスマッシュ
(括りとしては)勝ち馬と同じ条件の中で、最後は決定的な差をつけられた
格好にはなるのだが、この馬の場合は、元々粘りよりも持続…というタイプ。
このペースで進めつつ→崩れなかっただけでも、とりあえずは一定の評価を
してもいいのでは。
絶対的なスピードの部分で、現状ではまだ裏付けが薄い扱いになるが、今後、
ここよりは前傾度の低い展開で戦うことに(おそらく)なるので、適性面で
前進を示す可能性も大いにあるはず。とりあえず長い目で見守りたい感覚。

トゥラヴェスーラ
通過順の11-04が示すように、3~4コーナーで外を勢い良く押し上げつつ、
4コーナーでは外々で余裕の手応え。⇒でも直線伸びない…。
前が溜めている区間で脚をかなり使った格好で、この馬こそが、展開の罠に
嵌った筆頭と言っていいはず。
とりあえず、あれだけ動ける時点で、一定の持久力は認められるし、脚の使い
所が違ってくれば、この先普通に巻き返せても良さそう。
欲を言えば、もう少し地の強さがつけば…だが、そこは成長に期待。


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