2014年10月7日火曜日

凱旋門賞回顧 2014


2014凱旋門賞 ハープ、ジャスタ、ゴールド
1.28.00-1.51.60-2.03.41-2.14.38-2.26.05
1.28.00-23.60-11.81-10.97-11.67(上がり3F:34.45)

2013凱旋門賞 オルフェ2着 キズナ
1.31.53-1.57.30-2.09.12-2.20.16-2.32.04
1.31.53-25.77-11.82-11.04-11.88(上がり3F:34.74)

2012凱旋門賞 オルフェ2着
1.31.91-1.58.32-2.11.95-2.24.28-2.37.68
1.31.91-26.41-13.63-12.33-13.40(上がり3F:39.36)

凱旋門賞ラップタイム(1F~7F、8F~9Fはそれぞれの区間平均)



レース詳細
(馬場差を考慮して)過去2年と見比べてみると、全体としてはおそらく昨年と
同じくらいの後傾戦だが、昨年がギリギリまで待って一気に加速したのに対して、
今年はペースアップが早く、2段階スパートのような格好になっていて、切れ&
末の持続力が問われる上がり勝負になった。

まずその展開面に関して言えば、(上がり勝負で)勝負所の1歩手前が緩むのか
or締まるのかは、外から捲る馬にとっては死活問題になる。

(1段目の仕掛けでその部分が速くなった)今回の場合、コーナー部分が間違い
なく11秒台で流れているため、大外を回ってポジションを上げようとすれば当然
11秒台前半とかの速い脚が必要になったはず。

その点で、特にゴールドシップに関しては、元々速いフォルスストレートで動き
出しているため、脚の使い所のピークを前倒しした格好で、直線のもう1段階の
加速に対応し切れなかった印象になる。
(それでも最後は持ち前の粘りでジワジワ伸びている←これがこの馬の強さ)

また今回は上がりタイムそのものが34.45秒というレースでもあるので、それを
最後方から(勝負所までにポジションを上げない内容で)交わすには、そもそも
上がり33秒台前半、もしくは32秒台の脚が必要だった。

いくらハープスターとは言え、ヨーロッパの馬場でそれが出来るのか?を考えた
場合に、届かなかったのは当然と言えば当然…という気もするし、上記した早い
仕掛けも合わせて考えると、競馬自体が内先行有利だったことは間違いなさそう。

その意味で今回、勝ち負け争いをする可能性があったとすれば、直線内を突いた
ジャスタウェイということになるが…あれだけ詰まっていては仕方がない。
(その点はもちろん前半のポジショニングの問題に帰結する)

一方で連覇したトレヴに関しては、加速する直前が落ち着いた昨年は外から押し
上げていく内容だったのに対して、早めにペースアップした今年は内でじっくり
…という競馬で、それぞれの展開に合った完璧なレース運びをした格好。
展開的な恵まれもあるかも知れないが、馬の強さと鞍上の判断力が光った見事な
勝利だったと言えそう。


雑感
今回結果が出なかったことについては、ローテーションの問題など、他の様々な
要因もあるのだろうが、どちらにしても今回の(個人的な)印象としては、一言で
言えば、そもそも土俵に上がっていない…という雰囲気。
(結果論的には、前半からしっかり飛ばすペースメーカーをつけるか、もしくは
自ら積極的な競馬をするか…のどちらかが最低限必要だった)


それはともかくとして今回、過去のレースも含めて改めてラップタイム(の形)を
見て思い知らされたのは、凱旋門賞は前半~勝負所である程度負荷を掛けつつ、
そこから最後もう1段階ギアチェンジ出来るのか?…を問うレースだということ。

つまり元々(個人的に勝手に)イメージしていたパワー&持続力の戦い…という
よりも、苦しい中でも加速できる(周りよりも1つ上の余裕を見せられる)中身
(心肺)の強さと、切れ(性能)の勝負だということ。
(サラブレッドの「純粋な強さ」が試される)

つまり適性面から言えば、基本は結局「ダービー」なのではないか…と。

10年に1頭レベルのオルフェーヴルやディープインパクトはともかく、(世代の
レベルが疑われつつあっても)キズナは今年出走したどの馬よりも上位の結果を
残した訳だし、ナカヤマフェスタにしても極悪馬場のダービーで最後に際立った
伸びを見せて爪跡は残していた馬。
(もちろん持続型だったメイショウサムソン…という例外もあるのだが)

鞍上に関しても、日本ダービーでは1枠1番が断トツで強いように、上手く立ち
回ることが問われる訳だが、それを(3冠馬レベルではない馬で)勝つためには
どうすればいいのか?…ということをその時は当然考えているはず。
それと同じことがおそらく凱旋門賞でも必要とされているだけで、これは単純に
意識の問題。あちらにも「凱旋門賞ポジション」というのがあるのだと思う。

そしてもう1つ付け加えるとすれば、(減速する区間になる)ラスト1Fの強さ。
この点がこれまで惜敗が続いた理由になる訳だが、脚を使い切ってからの部分を
耐えるための体幹&持久力(&精神力)を鍛える、特別な調教がやはり必要なの
かも知れない。(普段のレースの性質が違うため、ハードルは高そうだが…)

したがって現状の考えとしては、ダービー馬がそこの鍛錬を積み、鞍上がダービー
だと思って乗れば、近いうちに勝つのではないか…という気持ち。
何かが変わることに期待したい。


- PR -

0 件のコメント:

コメントを投稿

- PR -