2016年6月15日水曜日

米3冠回顧 2016



今回は米3冠皆勤賞のラニについて。
パイオニアとしての敬意を払いつつ、その軌跡を振り返ってみたい。

ケンタッキーダービー・ラップタイム
22.58-23.14-24.68-25.21-25.70 2:01.31
11.29-11.57-12.34-12.61-12.85(/F)



1着ナイキスト
2着エグザジャレイター
9着ラニ
13着クリエイター

前半部分がかなり速くなり、道中は(あくまでこのレースとしては)少し溜める
格好で、その分後半そこまでラップが落ち込まない…という展開。

ラニは後方から進め、直線外から少し交わしつつ→中団になだれ込んだ内容。

このレースとしても特に時計が速く、展開的な厳しさの中でも最後止まらない
…という、かなり高いレベルでのスピード持続力が問われた形で、日本のダート
馬にとっては、最も難しいタイプの競馬だったように思える。

とにかく(例年より速い)皐月賞と比べても全く遜色のないペースだったので、
芝のトップレベルの中距離馬でなければ恐らく対応し切れなかったはず。
このレースに関しては、さすがにスピードに殺された感は否めない。

※昨年&一昨年は、最初の4Fを23秒台-24秒台という入り方をしている…という
ことを考えると、生まれた年も悪かった印象。

2016年皐月賞
12.0-10.7-11.5-11.7-12.5-11.5-12.4-12.2-11.6-11.8
22.7-23.2-24.0-24.6-23.4


プリークネスS・ラップタイム
22.38-24.18-25.41-26.22-20.12 1.58.31
11.19-12.09-12.71-13.11-13.41(/F)



1着エグザジャレイター
3着ナイキスト
5着ラニ

馬場はSloppyで、映像からはもはや泥。
勝ちタイムも平均と比べて2秒近く遅くて、時計が掛かる状態だった。

それでいて尚、最初の2Fが平均を大きく上回っているのだから、レースとしては
とてつもなく速い入り方をした格好で、前は完全にやり過ぎ。
(それを前から3着に粘り込んだナイキストは強い)

ラニは最後かなり落ち込む展開の中を、ひたひたと浮上しての5着。

レースとしては前半速いが、位置取り的に完全に受け流しており、尚且つ時計の
掛かる馬場で道中の(絶対的な)スピードが楽になったことで、一応間に合った
…というイメージ。

展開としては3冠の中で最も前傾度が高く、(ラップの内容的に)崩れた前とは
別のレースをしたという見方もできるため、評価は微妙なところ。

ただしそれでも(ゴール後1~2コーナー中間辺りで先頭に立っているように)
最後の惰性がかなり効いていた印象は強く、純粋な持久力の高さが垣間見えた
レースではあった。
その点、距離延長で前進する可能性は確かに窺えたのかも知れない。


ベルモントS・ラップタイム
24.09-24.39-24.80-24.68-25.10-25.45 2.28.51
12.05-12.20-12.40-12.34-12.55-12.73(/F)



1着クリエイター
3着ラニ
11着エグザジャレイター

スタートはやや落ち着いた入り方をしたが、なかなかスピードが落ちない格好に
なり、その後道中で一旦落ち着きつつ、加速して→上がりは止まり過ぎない形。
全体として(このレースとしては)フラットに近い展開だった。

ラニは後方から(結果的に速めの)前半を受け流しつつ、向こう正面の一旦落ち
着いた場面で押し上げる競馬をして、直線外をジワジワ浮上する(実際は粘る)
形での3着。

(3冠馬誕生の昨年は別格としても)このレースの中でも時計は速いのだが、
展開としては、道中で一旦落ち着くタイミングがあって、そこを締め付けられ
なかったことでスピードにも殺されず、(純粋な)持久力を活かせたイメージ。

このレースでも直線は(脚を使ったというよりも)惰性でなだれ込んだ格好では
あるので、向こう正面で動いたことが正解だったのかどうかは微妙だが、レース
レベル自体低くない中で、底辺の高さは十分に示したと言えそう。


雑感
とにかく行ってみなければ分からない部分は多い。
その点、今回の参戦の意義は本当に大きかったと思える。

ナイキストがベルモントSを回避したのは残念だが、ラニが大きく条件の異なる
3戦の中で着順を上げていった中で、クリエイターやエグザジャレイターも惨敗
⇔勝利という正反対の結果を手にしている。

もちろん一定の実力があってこそだが、適性の違いによる影響ももの凄く大きい
ことは間違いないし、今回のラニを物差しにして考えれば、可能性が高いタイプ
というのも、ある程度は絞り込めそうな雰囲気ではある。

現状行く手段(経路)が限られている…という問題もあるが、全く手が届かない
ものという認識ではとりあえずなくなった。(それが大収穫)

さて、エイシンヒカリはどうか?



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