2008年10月26日日曜日

菊花賞展望 2008


予想に関して
抜けた馬もなく、しかも馬場も渋る可能性があってますます予想は難解になった。
ここで勝った馬が後々に活躍するかどうかも怪しく思えてしまうところも
あるにはあるのだが、G1はG1ということでモチベーションは何とか保てる。

菊花賞の距離3000mは当然のようにどの馬も経験がなく、適性云々は本当の
ところは言えるはずはないのだが、過去の菊花賞の結果からレース全体の緩急の
傾向と、上がりのラップ傾向を探ることはできる。
前者は前回の記事で書いたように、近年は前半が速く、1コーナーから向こう
正面が緩む傾向があることが分かっている。
後者は京都の外回りらしく、3コーナーでペースが上がりそこからはどれだけ
スピードを維持できるかという持続力勝負となる。

それでもまず第一に、ラップ適性やコース適性(坂など)の考察という土俵に
上がれるのは、2周目の3コーナーの坂の頂上へ余力を残して辿り着いた者のみ。
これだけ長い距離を"楽に"走れるかどうかが問題となる。

それを解決するには血統、馬体(往々にして血統と同じだが…)、走法などの
いくつかのアプローチがあるだろうが、今回は「中距離で道中が締まった流れに
付き合って(無理に控えないで)、出来れば自ら動いて好走している」
という条件を基本に据えて結論を出した。
各馬がこれだけ長い距離を経験していない以上、厳しい流れでも息が続くかどうか
を見極めることは、1つの有効なアプローチだと考えられる。


◎ノットアローン
セントライト記念後に書いたようにディープスカイが天皇賞に行ったので本命。
春~夏の勝ち方と負け方を見ていて上手くいけば菊花賞で…と思っていた。
元々持続力があり、ラストの粘り勝負というレースでは結果を残していて、
春に負けたレースはことごとく切れ負けしたもの。
前走のセントライト記念は道中が緩んで勝負所での切れ味が問われるもので、
この馬には本来向かない展開だったが、それを克服したかのように勝負所で
切れ味を発揮していた。
持ち味の持続力&持久力という点ではむしろラジオNIKKEI賞の時に
証明しており、こちらの方がやはり本来の形と言ったところ。
今回は内枠、鞍上に加えて渋るかも知れない馬場という良い条件が出揃った感。
あとはひ弱に映る馬体(特に腹回り)でこの距離を走れるスタミナがあるかどうか。
自身は一応あるが、期待と欲望と場合によっては勘違い込みで。

○オウケンブルースリ
道中である程度緩めることができれば確実に持続する脚が使える。
本当はこのメンバーなら圧勝しても不思議ではないのだが、3コーナーの
下り坂があるとはいえ、勝負所での加速の遅さがやはり気になり、
最後はどの馬か1頭捕らえ切れないというイメージがどうしても湧く。
経験してきているのはこの馬の脚質を考えれば道中がゆったりとしたものばかり。
鞍上も個人的にこの距離では信頼できない。
陣営は距離には不安があるが直線の脚だけなら…と言っていたが、
内田博が本当に直線に賭けてくれるなら好走はできるだろうが…。

▲ダイシンプラン
道中が厳しい流れを1番経験してきているのはこの馬だと言っていい。
血統や馬体を見るとこの距離に対応できるかは微妙だが、持続力という
点からはここでは上位に位置している。
鞍上の腕で距離を克服できる可能性も高い。

△ロードアリエス
前走は先行勢が崩れる展開を5着まで粘り持久力の高さを証明した。
距離的には長いところには向いていそうでチャンスは十分。


アグネススターチ
前走は重い馬場で厳しいレースを勝ってはいるが、道中が緩んだところを番手から
持ち前の切れ味で抜け出したというレースであまり信用はできない。
特にラスト1Fのラップが落ち過ぎている印象もあり、持続力を考えたら
もの足りない気がしてならない。
もちろんこの距離を考えたら多少有利になるかも知れないが今回は厳しいのでは…。

ミッキーチアフル
前走はあまり緩まない展開から早めのペースアップでラストが厳しくなったが、
飛びが大きく長い距離というのは悪くないはずで、向こう正面である程度緩められる
今回なら最後まで粘りを発揮できるかも知れない。

スマイルジャック
ある程度自ら動けば基本的に京都は合う舞台だが、問題は距離。
それを解決するには同じ2400mのダービーと神戸新聞杯で2着と9着という全く
異なる結果になった原因を考える必要がある。
まず前半はダービーの方が速く、道中はダービーが緩んでいる一方で神戸新聞杯は
ある程度締まった流れとなり、上がりはダービーがほとんど加速することなく
持続力が問われる形で神戸新聞杯がある程度速くなりラストがガクっと落ちている。
これを考えると神戸新聞杯は道中であまり緩まなかったことで距離のごまかしが
効かなかったという理由でよさそう。
そうなると距離延長のここでは少し厳しいかな…と思えてしまう。

ダイワワイルドボア
基本的には緩んでからの切れ味勝負で好走をしてきている。
前走も緩い流れを1番楽なポジションから漁夫の利を得たに過ぎない。
もちろん最低限の地力があればこそできることなのだろうが、距離も微妙な
今回は厳しいレースとなりそう。

マイネルチャールズ
今まで本当の意味で道中が締まった展開を経験したことがなく、緩んだところ
からの加速に持ち前の切れ味でついていき、ラストを生命線の持続力で何とか
粘るというレース内容で好走してきた。
これまで出走したほとんどのレースで善戦してきたが、馬体的にも距離延長は
好ましくなく、本当の持続力と底力が問われるここでは化けの皮が剥がされる
可能性がある。


ヤマニンキングリー
今までは道中が緩んだところを持ち前の切れ味で好走してきており、
もし距離が持ってもラストの持続力勝負で厳しくなりそう。

ベンチャーナイン
道中が緩んだ流れから(もしくは自ら控えて緩ませて)切れる脚を発揮できる。
今回も極端に控える競馬を選択すればある程度の脚を使えるかも知れないが、
恐らく上位に食い込むには間に合わないだろう。

スマートギア
緩めたらスパっと切れる脚を使えるが、締まった流れにつき合って発揮して
いる訳ではない。
馬体的にも長い距離では厳しそう。

ナムラクレセント
前々走の玄海特別でかなりの持続力が問われるレースを勝っているが、
この馬自身は後ろからゆったりとしたペースで進め最後に落ちてきた馬を
交わしただけの印象が強い。
そこでスマートギアより2kg軽かったことを考えてもそれ程評価はできない。
自分から動けない馬ではここでの好走は厳しそうで、最後に遅れて差してきての
善戦がいいところ。





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