2008年10月15日水曜日

毎日王冠回顧 2008


毎日王冠結果
スーパーホーネット1.44.633.305-05-05
ウオッカ1.44.633.801-01-01
アドマイヤフジ1.44.933.802-03-03
サクラメガワンダー1.45.133.407-07-07
カンパニー1.45.133.209-09-09
オースミグラスワン1.45.433.311-12-11
ハイアーゲーム1.45.433.114-14-14

天候:晴 芝:良
上り4F:45.3 3F:33.8
前半1000m:59.3
12.7-11.5-11.6-11.9-11.6-11.5-10.5-11.3-12.0



レース評
ウオッカが逃げ、自ら自身の得意な流れを作り出した展開を最後の最後で
スーパーホーネットが差し切るというレースだった。
勝ったスーパーホーネットの実力には全く疑問の余地はないのだが、
上位2頭それぞれの特徴を考えたら、もう少し違った結果になっていた可能性を
捨て去ることは出来ない。

ラップタイムを見ると、前半は少しスローに流れたが、その後の道中はほとんど
緩むことがなく、勝負所で一気に加速して、後はどこまで持続できるかという
流れだったことが分かる。
このような展開となると、まず前半がゆったりと流れていることから前に
行く馬が余計な脚を使わずに済む。
そして道中~勝負所が緩まないことで、差し馬は前との差を詰めるために
かなり速い脚を使わなければならなくなる。
そこから一気に加速をしているのはウオッカの切れ味によるところが大きいのだが、
先行馬に対して余計に脚を使ってしまっている差し馬が最後(特にラスト1F)の
伸びを欠いてしまうのは仕方なく、結局は先行有利な流れだったと言える。

このレースを勝ったスーパーホーネットの視点から見ると、切れ味と持続力を
バランス良く持った同馬だけに勝負所での一気の加速にも楽に対応出来て、
追い出すのを少しだけ遅らせた分、最後までしっかりと脚を持続することが出来た。
前半からある程度積極的に進めた一方で、道中はポケットに入ってしっかりと脚を
溜めていたことも含めて、藤岡はベストの騎乗をしたと言える。

一方でウオッカの方は逃げて自分の得意な展開を作り出して、勝負所までは
これ以上ない完璧なレース運びだったと思う。
問題はラスト3Fのところで一気に加速して10.5秒というラップを刻んだ後、
11.3秒というラップを刻んでいることにある。
直線に入った直後武豊は突き放すことよりも引きつける動きを選択した。
ウオッカは勝負所で瞬間的にもの凄いエネルギーを発揮してしまうためか、
どうしてもその後の脚が鈍ってしまう。
つまり一旦仕掛けたら最後、一気に突き放してしまうしか手はない。
11,3秒というラップがせめて11秒以内のラップにまとめられていたら、
(もちろん最後の12.0秒というラップはもっと落ちる可能性はあるが)
結果は違っていたかも知れない。

そしてウオッカがもっと一気に突き放していたら、スーパーホーネットの方も
追い出しを遅らしている余裕なんて生まれなかったはずである。
結果的にそのことが藤岡のベストの騎乗を生み出したという見方もできる。
逃げて道中をあまり緩めなかったところまではさすが武豊といったところだが、
ウオッカの特徴を完璧に手中に入れているかどうかには疑問が残る一戦だった。


各馬について

出走各馬の詳細&次戦に向けて スーパーホーネット
持ち前の切れ味と持続力で見事に差し切ったが、特にこの馬の持続力には
改めて感心させられた。
ラスト1Fのところでウオッカとは1~2馬身差まで詰めていたが、そこから
恐らく11.7~11.8秒あたりの脚を使ったものと思われる。
少し距離が長い舞台の緩まない流れにおいて、それだけ脚が持続できたのだから
その価値は相当高いと言える。
この馬の適性に最も合っている京都マイルでG1制覇する可能性は高い。

ウオッカ
パドックでも甘さが完全に抜け切っているようにも見えなかったし、
上記したような否定的な意見も書いたが、それでも確かな成長は感じられた。
ラストの12.0秒は以前のウオッカであればもう少し掛かっていてもおかしくない。
逆に言うと秋初戦であれだけラストを粘ることができれば十分なのかも知れない。
今の状態で今回のようにいざとなれば自らレースを作るくらいの意気込みでいけば、
サムソン、スカーレット、ディープスカイのどの馬にも負けない力はある。
あとは鞍上がスローペースに付き合わなければ問題ない。

アドマイヤフジ
自身の得意な持続力を問われる展開となって、川田の積極的な騎乗も功を奏し、
当然のように上位に浮上した。
ただレースを見ると勝負所からウオッカとほとんど同じラップを刻んでいて、
その証拠に上がり3Fが全くの同タイムとなっている。
つまりウオッカ同様にこの馬もラスト1Fのラップタイムがガクっと落ちている。
休み明けの影響もあるのかも知れないが、持続力で勝負する馬がこれでは
この先、今回以上の結果は期待できそうもない。

サクラメガワンダー
今回のレースもある程度までしっかりと伸びてきていて、この馬の底力は証明した。
しかし勝ったスーパーホーネットと比べると完全に切れ負けしており、一方では
カンパニーと比べればラストの持続力で負けていた。
となると善戦続きのこの馬がさらに上位に浮上するにはどうしたらいいのか…。
思うに緩んだ流れを好位で進め、多少ロングスパート気味のレース展開を
自身の切れ味と持続力で勝負するしか方法はなさそう。
ただ残念ながらG1でそんなレース展開はそうはないし、もしあったとしても
切れ負けする可能性が高く勝ち切るイメージはない。

カンパニー
上記したように今回は完全に展開が向かなかった。
もちろんもう少し積極的に行っていれば結果は違っていた可能性はあるが、
それでもラストまでしっかりと伸び切っていて持ち味である持続力を発揮していた。
ここでこれだけできれば天皇賞、マイルCSのどちらにもチャンスがありそう。
次戦以降で巻き返す可能性がある馬の筆頭株。

オースミグラスワン
結論から言うと個人的には残念な結果だった。
はっきり言って期待外れもいいとこで、特にラスト1Fのラップタイムが
ガクっと落ちているのには完全にこの先の期待感が薄まった。
確かに道中が緩まなかったことでこの馬には少し忙しい展開にはなったが、
それでも流れに乗れなかったというようには見えなかった。
そして勝負所である程度積極的に動いたことで前走のような鬼脚は
発揮できないにしても、あそこまでラストが止まるとは予想していなかった。
結局のところ、持ち前の切れて持続する脚を発揮するには道中が緩むという
条件が必要だということである。
そうなるとこの先もこのメンバー相手だと厳しい戦いとなるのは確実。



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