2009年6月10日水曜日

安田記念回顧 2009


レース総括
■前半が相当なハイペースとなり、極端な前傾レース
■持久力&持続力が問われた


安田記念結果
ウオッカ1.33.535.707-05
ディープスカイ1.33.635.510-08
ファリダット1.33.835.318-18
カンパニー1.33.835.514-14
ライブコンサート1.34.035.807-10
サイトウィナー1.34.236.207-08
スーパーホーネット1.34.236.010-10
アルマダ1.34.436.703-03

天候:晴 芝:良
上り4F:48.2 3F:36.1
前半4F:45.3
12.0-10.6-10.8-11.9-12.1-12.1-11.6-12.4




レース詳細
ラップタイムを見るとまずは何と言っても前半のとてつもない速さが目に付く。
これは今回のメンバーでは明らかにダッシュが速いローレルゲレイロが2F目
まで引っ張り、その後を引き継ぐ形でコンゴウリキシオーが(存在意義とも
言えるが)強引にハナを奪いに行ったために予想以上のペースとなった。
実際に単純に過去の平均と比べても大きく上回っているし、(回復傾向には
あったが)やや時計の掛かる馬場を考慮すればこれは相当な速さだと言える。

レースは(直線で一旦は加速を示しているものの)さすがに後半はあまり
スピードが上がらない形となり、最後は完全に持久力勝負となった。
当然この展開では地力の高い馬が自然と上位に浮上することになったが、
脚質的にも速いペースに引っ張られた先行馬にはかなり厳しく、基本的には
差し馬有利だったのは言うまでもない。

まあ今回はラップがどうだろうと、適性がどうだろうと、脚質がどうだろうと
結局主役は最初から最後までウオッカというレースだったので、それほど
考察しても意味はなさそうだが、(様々な要因はともかく)ちょっとだけ
伝説的にもなりそうなレースを見れただけでも良しとしたい。

最後に今年は全く出番がないと思われた香港馬2頭だが、実際にはある程度
好位からまずまずの着に残っていて、その地力の高さは見逃すことはできない。
今回程度のレベル&状態の馬でこの結果ならば、状態がそれなりに良くて
適性さえ問題ない(香港での)実績馬であれば、普通に馬券圏内くらいには
入って当然で、そのことだけは来年以降への教訓としておきたいところ。


各馬について
出走各馬の詳細&次戦に向けての考察

ウオッカ
いつもより後ろの位置取りで武豊のペース判断はさすがといったところだが、
これだけ苦しい勝利になったのは、完全な勝ちパターンである早め抜け出しを
選択しなかったことによる部分が大きく、間違いなくジョッキーの過失だが、
それにしてもラストの余力の差はいったい何なのだろうか…。
もちろんトップギアに入るのが遅れに遅れたことで、最大のエネルギーを発揮
する箇所がゴールにかなり近い所になり、その後で耐えなければならない距離が
短くなったことは大きい。
それでもそこまでの過程で流れに置かれているという訳でもなく、それなりに
脚を使っているはずで、これはつまり(トップギアに入れる前の)速い流れに
対する耐性が相当に優れているということに他ならない。
そしてその実態は、長い距離では明らかにパフォーマンスが落ちることから
心肺機能的な持久力(有酸素運動能力)ではなく、筋持久力の方に由来して
いると推測でき、それがこの馬の能力の源だと言えるだろう。
(まあこのことは緩い流れのJCで負けた時点でほぼ確信したことだが、
それによってマイル戦では何の疑いも無くなった)
そう考えるとこの先のローテーションが、今度は(心肺機能的な)持久力の
方がより重要になってくる中距離中心となり、マイルのように安定した成績を
期待するのは明らかに無理があるが…。

ディープスカイ
例年以上のハイペースだったのにも関わらず、前半の速さにもある程度は
対応できたし、早めの抜け出しから持ち味の持続力を活かす形で、ほとんど
完璧に近い騎乗だった。
今回はマイルにおける相手の強さに屈した形だが、今更この馬の強さには
疑いもないし、こちらは(心肺機能的な)持久力にも問題ないタイプで、
距離延長となれば当然巻き返しは期待できる。

ファリダット
道中~上がりの(持続する)脚は京都金杯でも発揮していたが、(今回も極端に
控えたものの)その時とは明らかに前半の速さが違っていて、持久力の面での
能力の更新は明らか。
これは高松宮記念の時にも感じたことだが、このままさらに成長を続ければ
秋に向けてますます楽しみな存在になってくるかも知れない。

カンパニー
元々地力の高い馬なので、速い流れとなったことで当然のように浮上してきた。
道中の位置取りもこの流れを受け流すためには良い方向に働いたが、それでも
ファリダットに負けたのは大外をぶん回した鞍上の過失。
とにかく地力の高さは健在で、今回は本当にもったいないレースだったが、
年齢的にもこれくらいのパフォーマンスを期待するのはそろそろ厳しくなって
くるのかも知れない…。

ライブコンサート
元々道中~ラストの持続力はかなりのものを持っているので、位置取り次第
というレースではあったが、今回はディープスカイと並ぶような位置取りで
前半の速さへの対応力は予想以上だった。
今回の好走はもちろん前には厳しい流れだったことも大きいとは思うが、
結局後ろから行っても地力の低い馬は浮上できなかった訳なので、これが
完全なフロックとは思わない。
そうなると(適性的に合わないとは言え、もっと積極策も取れたはずの)
マイラーズCでの鞍上の過失は意外と大きいのでは…。
とにかくこの馬に関しては次戦以降での活躍を大いに期待していいはず。
(積極策の和田Jは合っていそうで、良いパートナーになりそう)

スーパーホーネット
ここには基本的に適性が合わないので良く頑張った方だと言える。
前半をゆったり出来て、ラストの切れ味勝負となる舞台での巻き返しに期待。


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