2009年4月22日水曜日

皐月賞回顧 2009


レース総括
■前半~道中が相当速く、持久力&持続力の問われる流れ
■アンライバルドの2冠を素直に期待できる


皐月賞結果
アンライバルド1.58.734.611-11-12-09
トライアンフマーチ1.58.934.418-18-16-16
セイウンワンダー1.59.034.712-12-14-15
シェーンヴァルト1.59.434.916-16-16-09
ベストメンバー1.59.635.810-10-08-12
リクエストソング1.59.835.712-13-12-12

天候:晴 芝:良
上り4F:47.5 3F:35.6
前半1000m:59.1
12.1-10.8-11.9-12.1-12.2-12.1-11.9-11.8-11.7-12.1




レース詳細
ラップタイムを見れば例年と比べて前半~道中がかなり速くなり、淀みの
ない相当厳しい展開だったことが分かる。
まあ上がり3Fは例年に近いタイムでまとめられているので、おそらく馬場は
速い状態で、前半~道中も見た目通りの速さでは考えられないのだが、
それを差し引いてもやはり厳しい流れだった。

例年の皐月賞も前半がある程度速くなって、道中も持久力のない馬では振り
落とされるような厳しい流れとなるのだが、それでも一定の地力を持つ馬に
とっては道中で一旦息を入れられる瞬間がある。
それに対して今年の場合は、前半~道中がほとんど緩まずに流れ、しかも
各馬の仕掛けが早くロングスパートの形になったために、特に先行馬に
とっては全く息の抜けない相当ハードな戦いとなった。

実際に人気に関わらず、先行した馬はほぼ全てが馬群に沈んでしまったわけだし、
上位の顔ぶれを見渡しても後方から進めた馬がズラリと名を連ねている。
当然先行して負けた馬の巻き返しは真っ先に期待できるところだが、それにも
増して勝ったアンライバルドに対して今回は何の文句もつけられない内容で、
より適性の高そうなダービーで敢えて嫌うような理由はもはや見当たらず、
このまま素直に2冠を期待しておいた方が懸命にも思えてくる。


各馬について
出走各馬の詳細&次戦に向けての考察

アンライバルド
戦前は厳しい流れを未経験という不安点があったが、終わってみれば
予想以上のタフな流れの中、それもあっさりとクリアしてしまった。
ある程度後方につけたとはいえ道中は淀みのない流れをしっかりと
追走し、勝負所ではもの凄い切れ味を発揮してラストもそのまま脚を
持続させてみせた。
ネオユニヴァースからこれほど切れる馬が出るというのも驚きだが、
それプラス父親の持久力&持続力もしっかり受け継いでおり、今の
ところダービーに向けて何の問題も見当たらない。
後は戦ったことのない別路線の馬だけ。

トライアンフマーチ
最後方のあの位置からほぼ直線のみの競馬では、時計の掛かる馬場だった
若葉Sからそれほどの能力の更新があったとは思わないのだが、それでも
一定の持久力の高さを持っていて、(若葉Sでも示してはいるが)勝負所
での加速力はなかなかのもの。
したがってこの結果は決してフロックではないが、より積極的に進めて
究極的な切れ味を示して勝ち切っているアンライバルドを逆転できそうな
気配は今のところなく、次戦以降でもその順列は保ったまま考えておきたい。

セイウンワンダー
この馬も後方からほぼ直線のみという競馬だが、前走が度外視できる内容
だったために、実質初距離で一定の持久力は示した格好。
ラストもしっかり脚を伸ばしていて今後も注目すべき存在であることは
確かだが、この馬最大の持ち味である切れが若干鈍っているようにも見えて、
これ以上の距離延長は少し慎重に見守る必要がありそう。
そしてこの馬もトライアンフマーチ同様にアンライバルド逆転は厳しそう。

シェーンヴァルト
道中は後方からだったが、3~4コーナーでは一気に捲っていて、直線で
最後に止まったのは単に脚の使い所(つまり騎手)の問題だと言えて、
2、3着馬とは着差だけの実力差があるとは思わない。
したがってもう少しだけ前進が見られても不思議ではないが、この馬も
今後どう頑張っても勝ち馬には届きそうもない。
この馬ベースで考えれば良い相手になりそうなのはブレイクランアウト
ということだろうか…。

ベストメンバー
一定の持久力&持続力は若葉Sで示していて、今回もこの厳しい道中で
押し上げていく競馬をしながら掲示板まで残ったのは力の証明。
したがって持久力が問われる舞台ではある程度信用できそうな存在で
巻き返しが期待できるが、上がりの性能には限界がありそうなので
(出れるのかは知らないが)ダービーではこれ以上の前進はあまり期待
しない方がいい。

リーチザクラウン
今までに一定の持久力は示してはいるが、前半~道中がこれだけ速くなって
しまえば、もともと緩めてからの切れ味勝負が得意なタイプだけに、脚が
なくなって当然。
今回は逃げれなかったことで道中掛かっていたという敗因もあるにはあるが、
もし逃げていたとしても結局この速さではラストは止まっていたはず。
それを考えると、きさらぎ賞で自由に行かせて勝って当然な相手に圧勝する
よりも、無理に抑えてでも控える競馬を覚えさせておけば…と今更ながら
思ってしまう。
ダービーではさすがに道中がこれほど厳しい流れになるとは考えられず、
適性的にもこの馬にはプラスとなる舞台ではあるが、今の気性で道中で
脚を溜められるか謎だし、他馬に突っつかれてペースが上がる可能性や、
ロングスパート勝負で再度持久力&持続力よりの流れになる可能性なども
考えられ、なかなか巻き返すには厳しい条件が揃っているのが現状。

ロジユニヴァース
前半3Fの速さを考えればラジオNIKKEI杯どころではない厳しい流れだったし、
それでいてラストも例年並でまとめることが要求されたレースとなっては
いくらこの馬でも最後は厳しくなって当然。
むしろここを先行策で押し切ろうものならほとんど3冠確定のレベルな訳で
まだまだ十分に巻き返せる可能性はある。
それでも上がりの性能では勝ち馬にはやはり劣るので、ダービーではもう少し
マイペースで道中を進められたとしても、コースに対する適性で分がある
アンライバルドを上回るのは現状では厳しいかもしれない。


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