2019年5月28日火曜日

日本ダービー回顧(ラップ分析)2019


まとめ
  • (実質)道中高い水準で流れつつ→仕掛けが早くなった展開。
  • 高い持久力&持続力(惰性力)が問われた。

日本ダービー結果

ロジャーバローズ2.22.6 35.1 02-02-02-02
ダノンキングリー2.22.6 34.5 05-05-05-03
ヴェロックス2.23.0 34.3 07-07-07-08
サートゥルナーリア2.23.1 34.1 11-11-11-11
ニシノデイジー2.23.1 34.3 13-12-11-09

天候:晴 芝:良
上り4F:48.1 3F:35.9
前半1000m:57.8
12.7-10.7-11.4-11.4-11.6-12.0-12.3-12.4-12.2-12.0-11.9-12.0




レースラップ分析&雑感

ラップタイムを見ると、スタート~道中が極端に速くなり、3コーナー付近で
一旦落ち着いて、上がりはジワジワと加速…という形。

もちろんこれは1頭が飛ばして作ったラップ。とりあえず、離れた後続が刻んだ
ラップで考える必要がある。
(この手の展開では、とにかくその計測に時間が掛かる…。なので、主催者には
個別ラップをお願いしたい…何卒)

まず全体の形としては、2番手のロジャーバローズでも、一応は後傾の内容。
しかし道中は(速い馬場を考慮しても)やはりかなり高い水準で進めていて、
高い持久力が問われたことは間違いない。

また後半に関しては、(おそらく)3~4コーナー半ばで11秒台に突入しつつ、
ラスト3Fがラップの頂点になって→直線は完全に右肩下がりの形。
これは言ってみれば、1週前のオークスと同じような構造。
早い段階で脚を使い切りつつ→(持続力&)終いの惰性力の戦いになった。

そして今回も、オークスと同じく、ディープ産駒2頭の決着…。
(自分の学習能力に、今とても絶望している)

ともかく、この手の(コーナーが速い)展開では、外から押し上げようとする
馬が脚を使い過ぎる…ということになりがち。

内からロスなく進めたダノンキングリーでも、ラスト4F~3Fで11秒フラット
近くまで上げて→直線は止まりながら…という浮上の仕方なので、外からの他の
有力2頭に至っては、コーナーを10秒台で回している可能性が高く、斜めに力を
使い過ぎたことは想像に難くない。その結果→直線伸びを欠いたイメージ。

この先に向けては、厳しい展開だったことには違いなく、フロック視されそうな
勝ち馬も含めて、上位の地力は信頼できるし、活躍は当然期待できるはず。
あとはその中で、コース取りや細かい適性の部分で、上げ下げをしたいところ。


~ここからは本当に雑感~

それぞれ展開に対しての位置取りorコース取り的に逆境の立場ではあったが、
グランアレグリアに続いて、サートゥルナーリアも(休み明けでG1を勝ち切り
つつ→)2戦目で失敗。
ついでにブラストワンピースもぶっつけG1から→2戦目で大失敗。

レース前に放送されていたスタッフのインタビューからは、「今回は休み明けの
時ほどには、追い込まないでいい」という由の話が聞こえてきた。
この発言がとても気になった。

つまり裏を返せば、休み明けG1の前には(それを意識して)相当に馬を追い
込んでいる…と。
となると、あのイレ込み方などもそうだが、単純にやり過ぎた結果の→反動では
…という感想になってしまう。

いきなりG1を勝たせるだけの技術は手に入ったものの、それには諸刃の剣的な
部分があって、あちらを立てればこちらが立たず…なのかも。
(アーモンドアイの偉大さがここでもまた1つ)

これらの失敗を糧に、加減が調整され、いずれは上手く回っていくのかも知れ
ないが、現状ではまだ発展途上の手法なのかも知れない…。

そして行き着く先の1つとして、フィエールマンくらい常に間隔が空いていれば
いいのかも…となったら、名馬クラスの走りを見る機会が、どんどん減っていき
そうな雰囲気…。時代。


各馬について

出走各馬の詳細&次戦に向けての考察

ロジャーバローズ
まずは前走の簡単な回顧の中で、「夏の福島あたりに出走があれば、重賞制覇も
現実的…」などと書いたが、所謂残念ダービーどころではない、本戦での勝利。
この馬には、大変失礼しました…と言いたい。
高い持久力と、(馬格のあるディープ産駒という部分で)惰性力を発揮しての
押し切りで、他がコケている側面はあるものの、その地力は当然認めたい。
また、後ろを待たない…という意識を持って、この馬の特性を活かし切った
浜中Jも見事な騎乗。この点、連続騎乗の重要性を改めて思い知らされた思い。
秋は凱旋門賞という話もあるようだが、そこをイメージした場合に問題になる
のは、やはり切れの部分。新味を出したいところではある。
(シャンティイだったら…とか思ってしまう。生まれるのがちょっと遅かった)

ダノンキングリー
離れた集団の好位から、早いタイミングで追い掛けつつ→最後良く詰めた2着。
勝ち馬とは30kg以上の体格差。タラレバで言えば、あと1つ馬格があれば、
フットワークの部分で何とかなっていた…かも知れない。
高い持久力と切れ。この2点に関しては疑いようもないし、秋はシンプルに
天皇賞を目指すのであれば、可能性としては十分あっても良さそう。
あとは1つ上の世代の超強力な馬との兼ね合い…というだけ。
(もちろんサートゥルナーリアも…だが)

ヴェロックス
外寄りを進んで、直線サートゥルナーリアには完全に切れ負けしつつも、最後
ジワジワ伸びて→差し返しての3着。
切れの問題で負けたとも言えるが、逆にもっと切れがあったとすると、相手の
ように最後垂れたかも知れない。そのあたりは微妙なところ。
とりあえず、枠も外寄りだったし、この結果は仕方がない。
今回の挙動を見ても、タイプ的にはやはり菊花賞を意識したくなる存在。
そもそも他の3頭が来ない可能性もあるが、秋は大いに期待したい。

サートゥルナーリア
パドックからイレ込みが目立ち、ゲートでも出遅れて、鞍上は最初から外を
目指すような騎乗。これでもか!というくらいの逆境の競馬。仕方がない。
それでも直線では鋭い脚を使って、一応の見せ場は作ったし、その実力は疑い
ようもなく、シンプルに次戦以降での巻き返し…というところに期待はしたい。
そして、秋以降はどんなローテーションを組むのか。今後の趨勢を占う意味で、
その点にもしっかりと注目はしておきたい。



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