2018年12月25日火曜日

有馬記念回顧(ラップ分析)2018


まとめ
  • 全体的に水準が高く、早いペースアップから→最後は落ち込む展開。
  • 持久力&持続力が問われた。
  • 立ち回りが重要な近年とは一線を画した地力勝負。

有馬記念結果

ブラストワンピース2.32.2 35.7 06-06-07-04
レイデオロ2.32.2 35.4 09-09-09-08
シュヴァルグラン2.32.4 35.5 13-11-11-10
ミッキーロケット2.32.7 36.6 02-02-02-02
キセキ2.32.8 37.5 01-01-01-01
サトノダイヤモンド2.32.8 36.2 08-08-07-08

天候:曇 芝:稍重
上り4F:48.7 3F:36.9
6.8-11.6-11.8-11.9-12.2-12.8-12.6-12.2-11.6-11.8-11.8-12.2-12.9




レースラップ分析&雑感

ラップタイムを見ると、前半からまずまずの入り方をして、道中も(コーナー
部分でも)大きくは緩まない展開で、その勢いのまま向こう正面でしっかりと
ペースアップしつつ→上がりは完全に右肩下がりという形。

馬場の扱いが微妙なのだが、元々土曜の段階ではそれなりに時計は出ていたの
だから、雨で稍重まで悪化したとは言え、少なくとも極端に掛かるような状態
ではなかったはず。(多少最内が悪いのか?という結果ではあるが)

当然、額面以上の過大評価には注意したいが、それでも(全体のバランスなど
から考えても)やはり水準の高い展開だったことは間違いなく、後半の仕掛けも
早い、かなり厳しいレースだった。

モヤっとするのは馬場の部分だけで、今回はとてもシンプル。
一言で、完全な持久力&持続力勝負。

結果としても、古き良き(?)時代の有馬記念のような、王道差しという雰囲気
だし、立ち回りが重視され、それがそのまま結果につながることも多い、近年の
トレンドとは一線を画していたイメージ。
とにかく、内枠…とか、それだけでは足りなくなった。

もちろん、コース適性や、それぞれの挙動の中での細かい有利不利はあるため、
今後振り返る場合にはそれらの点は考慮する必要はあるが、基本的に今回は、
単純に「上位の地力は信頼できる」。これに尽きる。
(ターフを去る馬もいるが)当然、それらの来年の活躍には期待したいところ。


各馬について

出走各馬の詳細&次戦に向けての考察

ブラストワンピース
外目を回しつつの正攻法の競馬で→この展開を勝ち切った。
今回はもう、これだけで十分。素直に強い!でいいはず。
最後は(持続というよりも)粘りという印象のレースではあったため、適性的に
もう少し確認したいところはあるが、直長で結果を出している馬が中山の完全な
地力勝負をこなせるのなら、この先、そう簡単に崩れるようなことはないはず。
あとは父がハービンジャーという部分。この産駒が勝ち切ったG1は、馬場が
悪かった昨年秋の京都。そして11年振りに稍重になった有馬記念。馬場が速い
条件のG1で結果を出せるか?の問題。それが出来るなら、当然来年は主役級。
(それよりも同世代にアーモンドアイがいることの方が問題かも知れないが)

レイデオロ
前半パフォーマプロミスに張られて全く内に入れず、終始外々を回す形になり
(今回の展開の中では極端なマイナスではなかったとは思うが…)、それでも
最後はしっかりと迫っての2着。
地力が反映されたようなレースの中で、改めてその実力を示した格好。
勝ち馬さえいなければ、王者たる、堂々とした勝ちっぷり…だったはずだが、
相手も上手く立ち回ったとか、仕掛けを遅らせたとかではなく、外目を回して、
この馬よりも前からしっかり攻めて→押し切ったのだから、これはもう、褒める
しかない…といったところ。
どちらにしろ今となっては、ほとんど舞台を問わず…の状態。当然、先に期待。

シュヴァルグラン
外枠ながら、極力ロスのない競馬をして、勝負所も外を回さず、直線捌きつつ
浮上しての3着。
外枠だからこそ、あまり攻めたポジションからは進められなかった…というのは
あるだろうが、やはりこれは好騎乗だったと言えそう。
もちろん今回は、そもそも地力がなければ難しい…という展開。馬自身も改めて
そのレベルの高さを示した形。
現役続行とのこと。来年はアーモンドアイを筆頭にして、日本馬の海外での確変
レベルの活躍もあり得る中で(願望込み)、仮にこの馬が南半球に行くのなら、
その一翼を担うことになるかも知れない。楽しみは多い。

ミッキーロケット
ブラストワンピースがある程度出して来ていた…というのもあるが、前半の先行
争いの中で、内寄りを目指しつつも無理をさせない形で外を進み、タイミングを
見計らった上でスッと内に進路変更。
その結果、ギリギリまでキセキが外に張られた格好になり、同馬の敗因の1つに
なったはず。冷静でクレバーな騎乗。23歳。末恐ろしい…。
その後、この馬自身は好位でじっくりと進めた格好だが、厳しい展開の中で、
直線もしっかりとした粘り込み。改めて地力の高さを示した。
4着の多い馬。次は?となると難しいが、地力が問われて、一瞬で勝負を決め
られる可能性のある舞台…。意外と安田記念とか…、出ないか。

キセキ
外枠で、スタンド前の直線を向くまで全く内に入れられない形。(前述)
この秋のハイペースが体に染みついた状態で、そこからは淀みのないラップを
刻みつつ→さすがに最後は脚が上がった格好。
今回、高速馬場の前走&前々走ともそれ程差のない、36秒台前半で入っていて、
実質的には当然それらよりも前半で脚を使っている。
道中~上がり…という脚の使い方をしたその2戦と比べて、明らかに前掛かりな
内容になっていて、この負けは仕方のないところだし、それでも崩れ切らない
あたりは、やはり地力。
本来のリズムは海外でも活きそうだし、国内なら大阪杯は合う。巻き返すはず。

サトノダイヤモンド
騎乗としてはロスのない競馬で好内容。しかし小回りの中山で、持ち前の大きな
フットワークを活かしづらい馬群の中を進み、少し緩くなっていたという証言の
ある馬場も含めて、この馬にとっては難しいレースになった。
それでも、最後は捌きつつ浮上はして来ているし、力はしっかり見せた格好。
凱旋門賞以降は、結局リズムを取り戻せず(本来の走りと言ってもいいのかも
しれない)ということになってしまったが、そもそもがあまり合うとは思われて
いない中での海外挑戦。父ディープの敗北、時代が作る空気、もちろんオーナー
サイドの意向、様々な要因はあるだろうが、(ただの外野ではあるものの)少し
でも期待をしてしまった時点で、個人的にもこの馬には申し訳なさが残る…。
だからこそ、早く何かが勝たなければならない。(また願望、これがいけない)
フットワークを受け継いだ産駒の出現に期待。



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