2018年10月18日木曜日

秋華賞回顧(ラップ分析)2018


まとめ
  • 落ち着いた入り方から→後半長い脚を使わされる展開。
  • 高い持続力(&切れ)が問われた。
  • 基本的に内の馬が有利。

秋華賞結果

アーモンドアイ1.58.5 33.6 11-11-11-12
ミッキーチャーム1.58.7 35.4 01-01-01-01
カンタービレ1.58.9 33.9 11-12-13-12
サラキア1.59.0 34.6 08-09-07-06
ラテュロス1.59.0 34.9 06-06-05-05
ランドネ1.59.1 35.4 03-03-03-02
プリモシーン1.59.1 33.8 15-15-16-15

天候:晴 芝:良
上り4F:47.0 3F:35.2
前半1000m:59.6
12.1-10.9-12.7-12.1-11.8-11.9-11.8-11.5-11.8-11.9




レースラップ分析&雑感

ラップタイムを見ると、前半はこのレースとしては落ち着いた入り方。しかし
その分道中が締まった展開となり、その後勝負所で多少の変化はついたものの、
全体としては(後半の)フラットな形。

今回の特徴は、やはり後半で長い脚が問われた…というところで、適性的には
当然持続力が必要になった。

またその前段階の、比較的落ち着いた入り方をした点も影響が大きく、ある程度
余力がある状態で勝負所に突入→コーナーのスピードが速くなり、外の(特に
押し上げようとする)差し馬が脚を使い過ぎる形だった。

その結果、内の馬が有利になる…というのがお決まりのパターンだが、実際に
今回も、最内をピッタリ周って来た馬はしっかりと上位を賑わしている。
(※今年はこの手のレースが本当に多い気がする…)


ただ、そういった側面があることは大前提…として、今回少し違うのは、そも
そもの話「勝負所で外差しがあまり押し上げていない」ということ。
(見た目でもそうだが、詳細にラップを検討してもそうなる)

攻めているのは比較的好位の馬ばかり。勝ち馬が、と言うよりもルメールJが
(このジョッキー特有の)ラスト3F過ぎまで動かない騎乗をしたことで、他の
差し馬もそれにつき合ってしまった印象。

積極的に仕掛けても難しく、逆に仕掛けなくても(距離的なアドバンテージを
取られるため)難しい形で、結果的には、この展開を外から浮上した馬は強い
…という同じ結論に至るのだが、適性面ではその扱い方が違ってくる。

つまり今回の場合、後半の持続力勝負の中で外からの馬が1、2枚上の持続力を
発揮した訳ではなく、(ギリギリまで待ってから→)切れを発揮した格好。
(もちろん切れだけでは無理。まずは一定以上の持続力…というのが前提だが)

好位にはシンプルな持続力勝負。差しには(結果的に)切れ&持続力勝負。
「中団より前と後ろでは別レース」という側面もある…と認識しておくことは、
この先、各馬の評価をする上で重要にはなりそう。


各馬について

出走各馬の詳細&次戦に向けての考察

アーモンドアイ
中団の後ろからじっくりと進め、勝負所もじっくり。仕掛けてからは当然速く、
直線もしっかりで、ラスト1Fを11秒台前半でまとめての完勝。見事な3冠。
鞍上も、この馬の決め手に対する絶対の自信だろうが、展開に流されず、本来の
良さ(切れ)を存分に引き出した好騎乗だった。
一方で今回は、展開的にはやはり一定の持続力は問われれているので、これまで
とは一線を画した内容…ということは間違いなく言える。
馬体的にも、春は性能、素質…というイメージだったが、夏を越して明らかに
逞しさを増していた印象で、その中で(好騎乗もあるが)適性的に未知だった
展開をこなし、ぶっつけ本番をこなした。
当然、適性的に前進が見込めそうなJCは、もう十分候補と言っていいはず。
そして、元々切れる馬が持続型の展開もこなせる…とすれば、短絡的ではあるが
「将来的にはパリへ…」と考えてしまう。
(個人的な考えでは、宝塚記念をこなせるダービー馬が理想。≒水準さえクリア
出来れば、秋華賞をこなせるオークス馬も近いことは言えるはず)
どちらにしろ、しばらくは確実に楽しませてくれそうな馬。当然大注目。

ミッキーチャーム
今回に関しては、まずは隊列があっさりと決まった…ということが大きい。
それでも、道中~上がりでは締まった展開を自らの意志で作り上げて、距離的な
アドバンテージを取るとともに、後ろに楽をさせない(楽に押し上げさせない)
…という攻めた競馬での→粘り込み。その地力&持続力は当然認められる。
今回はフラットな展開に持ち込んだ形だが、元々この馬はある程度の変化はつけ
られるタイプ。その手の馬は、溜めが効く…という部分で、距離延長もこなせる
可能性があるし、次がエリザベス女王杯だとしても、十分出来ても良さそう。
内枠で、好位のインが取れれば面白いかも知れない。

カンタービレ
中団後ろの(内→)中から、勝負所では内を窺いつつも→切り替えて外を選択。
絶対に詰まらない勝ち馬の進路を辿り、持ち前の切れを発揮しての浮上。
この馬も(最終的に全てが上位に顔を出した)前半最内に並んでいた1頭で、
より良い結果があったとすれば、終始内にこだわっていれば…だが、4角で
詰まっていればもっと悪い結果もあり得たし、やはりそれは結果論。
確実に言えそうなのは、(これも結果的に…だが)動き出しを遅らせたことで、
(切れの方に寄った)この馬の適性に合った競馬ではあった。
とは言え、この馬もアーモンドアイと同様に、これまで経験してきたものとは
違った展開での好走には違いなく、適性面での収穫はやはり大きい。
"持続力"をどこまで信用していいか?はまだ微妙だが、可能性は広がった印象。

プリモシーン
後方から、直線外寄りをジワジワと伸びて、途中2頭の間の狭いスペースを突き
つつ→最後もジワジワ詰める…という内容。
展開&位置取り的に難しい立場での7着は悪くないし、直線ではなかなか詰め
られず、ゴール後は先頭まで行っていることを考えれば、これは正直、切れ負け
した印象が否めない。思ったより、もっと持続力の方に寄っている馬なのかも。
この先は、エリザベス女王杯でも問題ないと思うが、近年の緩む展開では分が
悪くなるので、結局はその時の状況次第。マイルCSの方が無難と言えば無難。
長い目では、1600~2000mの(特に)持続戦なら面白そうだが、府中マイル
あたりだと"切れ"の問題は出てくるかも。
その点、適性面での上げ下げをしっかりと考えたいところ。


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