2010年12月1日水曜日

ジャパンC回顧 2010


レース総括
■前半~道中がゆったり流れ、上がりの速くなる展開
■決め手が問われた


ジャパンC結果
ローズキングダム2.25.2 34.2 05-07-05-06
ブエナビスタ2.24.9 33.5 12-14-12-10
ヴィクトワールピサ2.25.2 34.4 02-02-02-02
ジャガーメイル2.25.3 33.7 15-15-16-16
ペルーサ2.25.3 33.5 18-18-18-18
メイショウベルーガ2.25.4 34.2 08-12-08-08
オウケンブルースリ2.25.4 33.8 17-17-16-16

天候:晴 芝:良
上り4F:46.6 3F:34.4
前半1000m:60.7
12.8-11.7-11.9-12.3-12.0-12.7-12.9-12.0-12.2-11.2-11.3-11.9




レース詳細
ラップタイムを見ると、前半ややゆったりした流れから、道中は一旦かなり落ち
着く展開で、その後3コーナーの下り坂で徐々にペースアップしつつ、勝負所で
一気に加速する上がりの速い形。

今回は前半の遅さはともかく、ラップ全体を眺めてみても、極端に緩んだのは
6F目~7F目の2区間だけではあるのだが、逃げたシンゲンに突っ掛かるような
馬がいなかったことで、結局はスロー扱いということでよさそう。

したがって2007、2008年よりかは道中は一応速いので、このレベルでの最低限の
持久力は当然必要とされたものの、やはり切れなどの、上がり性能の高さが物を
言ったという印象で、脚質的にもある程度前有利だったと言えそう。

今回の場合、極端に速くも遅くもない水準で長い距離(道中)を走るという展開
だったので、例えば3000m級のレースへ向けては(個人的には)意外とつながる
可能性があるとは思うのだが、このように道中がゆったりしたJCは、有馬記念
にはあまりつながっていないという事実もあるので、裏付け十分なブエナビスタ
以外の上位陣の扱いには注意が必要になりそう。

それにしても今回は後味の悪さが残るレースで、消化不良の感は否めない…。
ブエナビスタの降着はもちろんだが、周って来ただけのレース内容で、遠い所
からわざわざ切れ負けしに来たような(一流とは言えない)外国馬の存在も、
それに拍車をかけているように思える。
それならばアルゼンチン共和国杯組や菊花賞組などの国内馬で脇を固めた方が、
レースレベルはむしろ上がったような気がしなくもない…。


各馬について
出走各馬の詳細&次戦に向けての考察

ローズキングダム
ジャパンCとしては決して速い部類の流れではなかったが、少なくとも2400m
以上の流れに対しては、ようやく一定の裏付けが取れたという感覚で、この先、
(個人的には)持久力(有酸素運動能力)という部分で疑うことは多分ない。
ただし道中が脚を削られるようなスピードで流れる、もしくは脚を使う必要が
ある舞台に対してはまだ懸念があるので、小回り+坂という構成の中山や、距離
短縮においては、絶対的な信頼まではできない。
その点は注意深く見守っていきたい。

ブエナビスタ
この馬自身に関しては何も言うことはなく、圧倒的なパフォーマンスだった。
ただ鞍上には、そもそも真っ直ぐ走らせて欲しかった…というだけ。

ヴィクトワールピサ
今回は積極策が嵌まった部分はあるし、元々ミドルペースを溜め→切れという
形で勝っていた馬だけに、展開的にも合っていた。
それでも今回の内容からは、持久力に関してはある程度高いものを感じるし、
凱旋門賞に関しても、馬場が合わなかった部分が予想以上に大きかったものと
解釈して、一応イメージを更新しておきたい。
ただこの馬の場合、今回も最後の局面で止まっているように、使える脚には
限界があるような気がするので、この先、道中から脚を削られるような舞台
では少し慎重に扱いたい感覚。
(個人的には3000m級のレースで1度見てみたい)

ジャガーメイル
ゆったりした流れで、ロングスパートという訳でもなく速い上がりが問われる
という、この馬向きの流れだっただけに、この好走は頷ける。
次戦が有馬記念なら適性的に下げたい感覚だったが、香港からの招待受諾という
ことらしいので、素直に応援したい。

ペルーサ
この馬どころではなく、ゲートを嫌がった馬がいたことは不運だったが、結局は
出遅れが全て…ということになる。
どうせ出遅れるのなら、とことん流れが厳しくなった方が当然浮上する可能性は
高くなるので、現状では中山の方が期待が持てるのかも知れない。

メイショウベルーガ
基本的には厳しい流れになった方が良いタイプだが、今回に限っては落ち着いた
展開によって、素直に能力が発揮できたという雰囲気で、牡馬一線級相手にこれ
以上厳しい展開になっていたら、前からはもう少し離れていたのかも知れない。
この先どうするのか分からないが、牝馬中距離戦線のトップというのは本当に
進路が難しい…。

オウケンブルースリ
これ以上の上がりはほぼ期待できないので、この結果は普通に切れ負けという
ことで良さそう。
この馬の場合、厳しい流れでの裏付けは十分あるだけに、今年こそ無事に有馬
記念に出走して欲しいところ。(不器用さは問題だが…)

ナカヤマフェスタ
上がりの速い展開での切れ負けはあり得ることだが、さすがにそれ以外の問題が
今回はありそう。
それが状態面ということなら分からないが、フランスの馬場が全く合っていな
かったヴィクトワールピサが好走し、ピッタリと言っていい程に合っていたこの
馬が凡走したことで、印象としては走法の問題にも思える。
もしそうだとすれば、再度日本向きの走りに切り替えられれば、直ぐにでも巻き
返しが期待できるはず。


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