2010年11月28日日曜日

ジャパンC展望 2010


展開
日本馬だけを見ると、逃げ馬どころか先行馬すらいるのかどうか怪しく思える
メンバー構成だが、そうなると当然展開は外国馬の動向次第ということになる。

それで今年の場合、8頭もの外国馬が出走するが、海外の馬が殺到した時に
レースの流れがどうなるか?ということで、外国馬の出走頭数と(積極的に
仕掛けていく可能性を考えて特に道中の)ペースとの関係をざっと見てみると、

2009年 5頭 ハイペース
2008年 3頭 スローペース
2007年 4頭 スローペース
2006年 2頭 スローペース
2005年 6頭 ハイペース
2004年 5頭 ミドルペース
2003年 9頭 ハイペース

出走頭数が少なく、ほとんど日本馬のみと言えそうな、名ばかりの国際G1の
様相を呈している年の方が、基本的に温い流れになっていて、大方のところ、
出走頭数の多い年の方が厳しい流れになると言って良さそう。

…となれば、今年の8頭という数を考えると(外国馬が先行した場合)スピード
性能の問題で前半がゆったりとして、一見世間的に言われているようにスローに
流れたとしても、道中は締まった展開になり、上がりが地力勝負になる…という
可能性は十分考えられるのではないだろうか。


予想
もちろんスローペースになるリスクはあって、展開間逆での玉砕もあり得るが、
ある程度締まった流れを想定し、何だか強いと言われているが裏付けに乏しい
3歳馬を下げる方向(その方が妙味も上がる)で考えたい。
ちなみに厳しい流れの方が外国馬が浮上しやすい…というリスクも高まるが。

◎ブエナビスタ
持久力は当然高く、タイプ的に距離延長は歓迎だし、終いを伸び切る持続力に
関しても明らかに現役屈指の存在で、展開がどちらに転んでも全く問題ない。
唯一の弱点である一瞬の切れという部分に関しても、さすがに今年のダービーの
ようなヨーイドンの競馬にまではならないだろうし、前走を見る限り、以前の
ような勝負所でのモタつきは消えていたので、あまり気にする必要もなさそう。

○オウケンブルースリ
道中何事もなく単なるスローになるようなら切れ負け必至だが、一応の想定通り
少しでも長い脚が問われる展開になれば、持ち前の持久力&持続力が物を言い
そうで、この舞台での浮上は確実に思える。
今回は鞍上がルメールJなので位置取りが少しでも前になれば面白そうでは
あるし、あとは状態面さえ問題なければ。

▲ナカヤマフェスタ
持久力&持続力は当然高く、海外帰りの状態は気になるものの、この距離で
一定の地力が問われれば、崩れる場面は想像しづらい。
タイプ的には決め手勝負を伸び切るという馬でもないので、スローから極端に
速い上がりが必要な展開になると微妙だが、それなりに厳しい流れを想定した
都合上、やはり評価は落とせない。

注ペルーサ
早い段階から持久力は示していた馬だし、道中~上がりに掛けての持続力は
相当なものを持っている。
出遅れ癖に関しても、原因が性格に由来したものだと言うのなら、安藤勝Jの
しつけでおそらく改善していくと(個人的には)思えるし、本当の地力勝負に
なったとしても、3歳馬の中でこの馬にだけは対応できそうな裏付けがある。
リスクはあるが、いざレースが始まって、この馬の姿を好位~中団に見つけた
時の恐怖を思ったら、ここはある程度積極的な評価をしておきたい。

△ジャガーメイル
直線を伸び切る能力は相当なものだし、持久力(心肺機能)は元々高い。
この馬の問題は、単純に前半or道中のスピードで脚を削られないかという部分
だけなので、2400mの流れになれば能力は十分出し切れるはず。
もちろん道中からレースが動いたり、勝負所での仕掛けが早くなった場合には、
終いまでしっかり伸び切れないという事態もあり得るが、前半の速い宝塚記念や
天皇賞(秋)と比べれば、適性面での前進が確実に見込める場面ではある。

☆ローズキングダム
持久力(有酸素運動能力)は高く、2000mくらいの、道中のスピードで脚を
削られる舞台よりかは、ゆったり走れるこのくらいの距離の方が合っている。
ただしここのレベルでの道中の裏付けは無いに等しく、このメンバー相手に
1枚も2枚もパフォーマンスを更新しなくてはならない…というのは、実際
相当にハードルが高そう。緩い流れからの決め手勝負になれば別だが…。

☆メイショウベルーガ
本来は切れ負け必至の舞台で、地力でもこのメンバー相手ではさすがに見劣り
するが、長い脚が問われる展開ならば(勝ち負けからは少し離れるだろうが)
掲示板くらいのところにいても不思議ではないはず。
とりあえず終いを伸び切るという部分だけは評価しておきたい。

☆シリュスデゼーグル
全天候馬場2000m(不良)で1.59.2というタイムで走れているので、一定の
スピードは見せていると言えそうだし、昨年3歳で臨んだ香港ヴァーズでは、
好位から進めて、ラスト2Fで一旦先頭に立つ形から、最後まで良く粘り僅差の
5着という内容なら、まずまずの持続力を発揮したと言えそう。
それでもここでは足りないと思うが、外国馬の中で強いて挙げるなら…。

'09香港ヴァーズ 26.05-24.02-25.23-24.23-23.88-24.10 2.27.51
4着ジャガーメイル 26.93-24.50-24.35-24.15-23.60-24.08 2.27.61
5着シリュスデゼーグル 26.33-24.30-24.87-24.15-23.76-24.29 2.27.70


×シンゲン
基本的に切れ勝負よりも道中から地力が問われた方が都合よくて、総合力で勝負
したいタイプなので、道中(もしくは3コーナーくらい)からある程度動いて
行くような展開になれば浮上もあり得る。
しかし天皇賞を見る限り、現状では長い直線を伸び切るという部分に、何だか
誤魔化しがありそうに思えて、勝ち負け付近に迫るイメージが全く湧かない。
やはり休養前の状態に戻っている訳ではないのかも知れない。

×ヴィクトワールピサ
ナカヤマフェスタと比較すれば、ロンシャンの芝では明らかに馬場適性の面で
分が悪かったとは思うが、それでも1.3秒離された事実を考えると、正直地力の
差を感じてしまう。
斤量差も3.5kg→2kgになるし、ここは上手くいっても掲示板が限界なのでは。

×エイシンフラッシュ
緩い流れから終いを伸び切るだけのレースならまず絡んでくるだろうが、道中の
裏付けはないし、ローズキングダムとは違って持久力という点でも(個人的に)
疑問を持っている。
とにかく厳しい展開をこなす場面を目撃するまでは、この姿勢を貫きたい。

×マリヌス
凱旋門賞6着は一応評価した方がいいのかも知れないが、後方から何とか上位の
着順に食い込むという内容では、ここではスピードの問題を露呈しそう。
この馬を無理に選ぶくらいなら、馬場への適性という点でヴィクトワールピサを
当然上に見たい。





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